真水稔生の『ソフビ大好き!』


第144回 「私を桃太郎神社へ連れてって」  2016.1

 ♪きっびっ だ~ん きびきびだ~ん
 ♪おっにっ た~いじ おにおにた~いじ

水曜日のカンパネラを聴いていたら、
愛知県犬山市にある、桃太郎神社の事を思い出しました。

子供の頃、
・・・そう、あれは小学1年生の時なので、
今からちょうど45年前に、
一度だけ行った事があるのですが、
緑深き山の中、
桃太郎や鬼たちのコンクリート像が境内に点々と建っていて、
可笑しいような怖いような、
なんだか不思議な空間だった事を憶えています。

 地元愛知県にある神社なのに、
 そういえば、あれきり一度も行ってないなぁ・・・、

と、ふと気づき、
無性に行きたくなった次第。
なので、
ちょうど年明けですし、
初詣も兼ねて、先日、45年ぶりに行ってきました。
今回は、その参拝記。


・・・え?
なぜ、愛知県に桃太郎神社があるのか、って?

いいじゃん、べつに。勝手でしょ?(笑)

まじめな話、
“桃太郎” は、なにも岡山県だけのものではありません。
我が愛知県にも、
桃太郎の伝説はしっかりと存在するのです。

その伝説では、
桃太郎は大神実命(おおかむづみのみこと)の生まれ変わり、とされています。

大神実命とは、
日本神話に登場する “桃”の事。
『古事記』や『日本書紀』において鬼や雷公を退散させた、
邪気を払う力を持った魔除けの桃です。

桃太郎神社の御祭神は、大神実命。
つまり、桃太郎です。

それゆえ、

 桃太郎のように元気でたくましく育ちますように・・・、

と、我が子の健やかな成長を願って参拝する人が多く、
“子供の守り神” として崇敬されています。

結構、全国的にも有名な神社なンですよ。


また、
そんな桃太郎神社の周辺一帯には、
桃太郎の伝説に因んだ地名がいくつも実在しています。

桃太郎神社の住所は、

 愛知県犬山市栗栖古屋敷

ですが、
この “古屋敷” とは、
別名 “桃太郎屋敷” とも呼ばれ、
桃太郎を育てたお爺さんとお婆さんの家があったとされる所ですし、
そもそも、
犬山市の “犬山” は、
桃太郎のお供で鬼退治についていったイヌが生息していた地、
である事を意味しています。
同様に、
サルが生息していた “猿洞”、
キジが生息していた “雉ヶ棚”、もあります。

あと、
桃太郎一行が
鬼ヶ島から持ち帰った宝物を積み上げ置いた “宝積寺”、
お爺さんとお婆さんが亡くなった後、
桃太郎が最後に姿を隠した山、と伝えられる “桃山”、
などがあります。

それから、
よく言われている、
“桃太郎は十二支が配置された陰陽五行説と関わりがある”
という説でいくと、
申(サル)、酉(トリ=キジ)、戌(イヌ)を率いて
北東に位置する鬼門へ向かうのが、
桃太郎の鬼退治ですが、
桃太郎神社の北東の方角には、
ちゃんと “鬼ヶ島(岐阜県の可児川にある中洲)”も存在します。

その “鬼ヶ島” 周辺には、
ほかにも、
道行く人を襲うため鬼が待ち伏せしていた “敵隠れ”、
桃太郎と鬼が取っ組み合いの闘いをした “取組”、
闘いに勝った桃太郎が勝どきをあげた “勝山”、
などがあり、
実にロマンが漂う地となっています。

  そんな興味深い地域の伝説と
密接に関わる桃太郎神社に、さて、到着。 
   
             


まずは、
今年の干支でもある “サル” がお出迎え。

持っているのは、
“きびだんご” でしょうか。

・・・あんまり美味しそうじゃないなぁ(笑)。

 
     
  イヌとキジも、
もちろんいますし、
鬼たちも、こうして迎えてくれます。  
   
       
   
  お爺さんとお婆さんもいます。
山へ柴刈りに行ったり、川へ洗濯に行ったり、
二人で仲良く楽しそうに “きびだんご” を作ったり・・・。 
 
                                     
                                  そして、
桃から生まれた、桃太郎! 
   
                            45年前に、
たった一度参詣しただけの僕でさえ、
身体だけはこんなに大きく元気に育ちましたから、御利益大ですね。
桃太郎さん、ありがとう!
  
         
     
         
     
                桃太郎にやっつけられて、
今までの悪行を反省し、泣いて謝っている鬼たち。



実際に涙を流す赤鬼の方は、
湧き水が目を通って流れ出るしくみのようです。

凝ってるなぁ・・・(笑)。 
















 
       
      高木ブーさんではありません(笑)。

「背中へどうぞ」 と、やさしい鬼です。 









僕も、
45年前に
このとおり乗らせてもらいました。

けど、
今回は乗りませんでした。

だって、
もう、大人になっちゃって、重いですから、僕。
やさしさには、やさしさで返します(笑)。
 
     
             
           
                             
                           
       
    コンクリート像たちと共に、
この神社の象徴である、桃を象った鳥居。

この鳥居をくぐれば、
悪は去る(サル)、病は居ぬ(イヌ)、災は来じ(キジ)、
というわけです。


・・・ってか、
鳥居、って、
“鳥居の形” してなくても別にいいンだ(笑)。
 
   
  そして、お参り。

“子供の守り神” であると同時に、
無病息災のお祈りを聞いて下さる神様でもある、との事ですので、
50歳を過ぎて
最近はめっきり体力の衰えを自覚している事もあり、
今年1年間の健康を願い、「なにとぞお願いします」と手を合わせてきました。 


  ・・・で、
実は、
今回の初詣、
お供にこいつを連れて行きました。 
    モモタロス

『仮面ライダー電王』に出てきた未来生命体。

元々は、実体の無い存在だったのですが、
これに憑かれた主人公・良太郎が
“桃太郎の鬼” をイメージした事で、
こんな赤鬼みたいな姿になった、
というキャラクターです。

このソフビは、
クレーンゲームの景品で、
バンプレスト製 ビッグサイズフィギュア、
全長約30センチ。 
 
 
ソフビコレクションは、
僕の心の健康に重要な役割を担うもの。

 体と同時に心も無病息災に・・・、

とお祈りするべく、
何か1体、コレクションの代表として
今回の初詣に連れて行こう、と思いついたのです。

僕のコレクション第1号である、
ブルマァクのゴドラ星人(第66回「過去、現在、そして未来へ」参照)にしようか、
それとも、
子供の時に持ってて
一度従弟にあげながらも、
僕がコレクターになった事で、その従弟が返してくれた、
マルサンのメトロン星人(第9回「足の裏のロマン」参照)にしようか、
コレクションルームを見渡しながら、いろいろ考えました。
代表ですからね、なんといっても。

コレクションはすべてが大切な宝物ですが、
その中でも、
何か特別な思い出があるものを・・・、と思ったわけです。 
    その時、ふと目にとまったのが、
こいつだったのです。

特に何か、入手にまつわるエピソードがあるわけでもない1体ですが、

 「桃太郎神社に行くンだから、俺しかいないだろ!?」

と言われた気がしたので、連れて行く事にしました。
 
                 
              気分は良太郎です(笑)。





 
       
 





そういえば、
神社の入り口付近に建ってるこの鬼、
45年前に僕が来た時は、全身が青い色をしていました。

すべての像が
劣化防止のため塗り替えられているようですが、
青鬼から赤鬼に塗り替える、
というのは、 
いただけませんなぁ・・・。
それぞれ性格も異なる、別個のキャラクターですから。

だって、
『アクマイザー3』で言ったら、
アオニーダがアカニーダになっちゃう、って事だよ。
ダメでしょ、そりゃあ(笑)。


 
   



青鬼がモチーフのアオニーダ(全長約10センチ)と
赤鬼がモチーフのアカニーダ(全長約12センチ)。

『アクマイザー3』放映当時(昭和50年)のソフビで、
製造元はタカトクで発売元はブルマァク、
という商品です。  










 
       
    桃太郎神社の幟を抱えて参拝者を出迎える鬼が、
青鬼から赤鬼に変わっていた事に気づき、

 モモタロスを連れてくる事は、予め決められていた事なのか・・・、

と、
大宇宙の意思を感じてしまう、相変わらず大袈裟な僕でした(笑)。

 
   
   
  最後に、
神社の前を流れる木曽川を紹介します。

・・・そうです。
この木曽川こそ、桃太郎の “桃” が流れてきた川なのです。 
        川上の方を眺めていると、
今にも本当に、
大きな桃が、
 
 どんぶらこ、どんぶらこ、

と流れてきそうな気がしてきます。
 

ちなみに木曽川は、
僕が生まれ育ち、現在でも暮らしている名古屋市の、水源でもあります。

・・・なんか、
健康に良い特別な水を
ずっと飲んで育った気がして(笑)嬉しくなり、
ありがたく幸せな気持ちで、帰路につくことが出来ました。





               前回へ               目次へ               次回へ