オモチャのある風景

  〜 第11景 「こまわり君が好き」 〜

 昭和50年代、少年チャンピオンに連載され人気を博したギャグ漫画『がきデカ』。

 その主人公である“こまわり君”が大好きだった、

 というキョン太さん(42歳・愛知県名古屋市)の宝物、

 当時、誌上の懸賞で当たった“こまわり君の貯金箱”です。


いつでも見る事が出来るように、と机の上に置いてあるそうです。

  「ギャグ漫画と言えば、『天才バカボン』がまず浮かびますけど、
   『がきデカ』は登場人物がボケと突っ込みにきっちり役割分担されていて、
   そこが新しくて好きでしたね。
   こまわり君には憧れてましたよ。驚きがありましたから、彼には。
   少年警察官、って何だよ、みたいな(笑)」


 下劣だという理由で、キョン太さんのお母様は『がきデカ』を読む事を禁止したそうで、 

 キョン太さんはお小遣いで買った単行本をベッドの下に隠して、こっそり読んでらしたそうです。

  「まるでエロ本ですよね(笑)。
   でも、そうやって隠して持ってたおかげで、
   この『がきデカ』だけは処分されずにいまだに手元に残ってるンですよ」


  「僕らの世代だと、子供時代のアルバムを開くと、
   スペシウム光線のポーズしてたり、
   仮面ライダーの変身ポーズしてたりする写真が必ずありますが、
   僕の場合、“死刑”のポーズしてるンですよね。ホント、大好きだったから」

 子供時代のキョン太さんにとって、こまわり君はヒーローだったのかもしれません。

 それは、キョン太さんが大人になった今でも、机の上で凛々しく輝き、

 キョン太さんの人生に楽しさと勇気を与えているのでしょう。


【掲載日:平成19年5月9日】



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