真水稔生の『ソフビ大好き!』


第268回 「花巻五郎だぞ! 解かっとるンか!?」 2026.5


今日はラーメン好きの先輩に誘われ、
名古屋市中区は錦にあります、
こちら、啜る(SUSURU)でランチ。

看板メニューである、“焼豚中華そば” をいただきました。
茹で加減が絶妙の平打ち麺が
貝出汁(蛤と知床鶏のWスープ)の渋みを纏い “無敵化” した、とても美味しいラーメンですが、
なんといっても最大の特長は、この大きなチャーシュー。 
見て下さい、この迫力。
器に収まりきらない・・・というより
器に収める気など端から無い、掟破りのデカさなのです。
しかも、心地良い歯応えで香ばしくて、もう、大満足。
最高でした。 
そこで思い出したのが、
子供の頃に観ていた『ワイルド7』で、“チャーシュー” を演じていた花巻五郎さん。

小柄(ウィキペディアによると、身長142センチ)な俳優でしたので、
“大きなチャーシュー” とは正反対の、
言わば
“小さなチャーシュー” でしたが(笑)、
その個性が、とぼけた味わいの演技も相まって、子供心にとても印象的だったンですよねぇ・・・。

それは、
なにも僕だけの特殊な記憶ではなく、
花巻五郎さんは、その『ワイルド7』のチャーシュー以外にも、
『超人バロム・1』のミスター・ドルゲの召使いや
『正義のシンボル コンドールマン』のマッドサイエンダーなど、
ユニークで珍妙なキャラクターを、
観ている子供が感情移入しやすいよう解かりやすい表現で巧みに演じておられましたし、
ほかにも、
『仮面ライダー』をはじめとするいろんな特撮ヒーロー番組にゲスト出演もされて、
その都度、抜群の存在感を発揮していましたので、
昭和39年生まれの僕と同世代の特撮ファンになら、きっと共感していただける事だと思います。

なので今回は、
その花巻五郎さんについて、述べさせていただく事にしました。 

・・・なんか、

 外食して、エッセイのネタを思いついて・・・、

って、前回と同じ展開ですね。
“食べる事” と “ソフビ” しか、僕の頭の中には無いのでしょうか?

・・・無いのでしょう(苦笑)。



まぁ、何はともあれ、始めさせていただきます。





『ワイルド7』のチャーシュー、
原作漫画では途中の回で殉職してしまいますが、テレビドラマの方では最終回までずっと生きてたンですよね。
それを、子供だった僕は、

 花巻五郎さん演じるチャーシューが、原作以上に良いので、
 死なせるのはもったいない、死なせてはならない・・・、

って、スタッフの人たちが考えたからそうなったンだ、と勝手に思い込み、
 
 役者が、演じるその役に生命力を与えた・・・、

そんなイメージで捉えていたンです。

 花巻五郎さんは凄い、

・・・そう思ったンですよね。
今思えば、あの頃から、役者の“仕事” を注視していたようです。

・・・ってか、
『ワイルド7』を観ていた小学2年生(8歳)の時よりもずっと前の、
3歳とか4歳とか、っていう、
就学前どころか幼稚園にすら入る前の時点で、
『ウルトラセブン』の怪獣の出てこない回や『怪奇大作戦』を退屈に感じる事なく楽しめたり、
松山英太郎さん主演の『丹下左膳』や進藤英太郎さん主演の『おやじ太鼓』など、
30分番組とはいえ大人が観るドラマを、お話の内容なんてほとんど理解出来てないにもかかわらず喜んで観てましたので、
テレビ画面に映っている、
役者が “役” を演じているその様が、
もう、本能とか生理とかの次元で、僕にとっては興味を惹かれる対象だったンだと思います。
アニメは退屈で一切の興味を持てなかったのにね。
ホント、変な子供でした(苦笑)。


・・・まぁ、僕の嗜好はともかく、
花巻五郎さんは、本当に魅力的な俳優でした。
先述したとおり、
『ワイルド7』のチャーシュー役で好印象を抱かせてくれただけでなく
いろんな番組にいろんな役で出てきては
それがいちいち面白かった
( たとえば、『仮面ライダー』のナメクジラの回に泥棒役でゲスト出演された際には、

   目の前に現れたナメクジラを見て恐怖に息を飲みながらも、
    ナメクジラが片手をあげて「やぁ、こんにちは」みたいなジェスチャーでからかってくると、
    それに対応して同じように片手をあげて「あぁ、どうも」って感じで挨拶し返し、
    一瞬の “間” の後、ギャーッ!

  ・・・なんてシーンがあったのですが、そういう芝居の、
  テンポや息遣いの小気味良さとか、空気感の可笑しさとかが、いつも最高なンです)ので、
幼い心に漠然と、

 テレビの中の人って楽しそうだなぁ(=役者の仕事って面白そうだなぁ)・・・、

って、思わせてもくれたンですよね。

テレビを観ていて花巻五郎さんが登場するたびに、

 あ、またこの人、出てきた・・・、

って思って、
作品世界に一気に引き込まれる感覚を何度も味わいました。

あと、これは、大人になってから知ったのですが、
花巻五郎さんは、スーツアクターとして、あの、ケロヨンやクレクレタコラも演じておられた、との事で、

 もう、日本中の子供たちにどんだけ夢見させてくれた人やねん!

って、
今では感服と感謝の気持ちをも、抱いています。
凄い人です、マジで。

事故で大怪我をされたため、役者を続けていく事を断念されたそうで、
とても悔しく残念でしたが、
今でもお元気で暮していらっしゃる事をもちろん祈っていますし(御存命であれば80代半ば)、
これからもずっと、この感服と感謝、捧げ続けたいと思います。


・・・ところで、
そんな花巻五郎さんにまつわる僕の子供の頃の記憶で、ひとつ、納得のいかないものがありまして、
それは、『大鉄人17』にゲスト出演された時の事です。
『大鉄人17』は、
昭和52年に東映が制作し放送されていた番組ですが、
途中、花巻五郎さんがゲスト出演された回があったンですよね。

レッドマフラー隊(国際平和部隊)の隊員役だったのですが、
それが、なんと、
番組冒頭で、パトロール中に、
細菌をばらまいて人間を溶かしてしまうロボットに襲われて、
あっけなく殺されちゃうンです。

 ・・・え?
 これで、出番、終わり?
 いやいやいや、ウソでしょ?

と、僕は驚きました。

 『ワイルド7』で、殉職する運命だったチャーシューに “命” を吹き込み、
 最終回までずっと生きてレギュラー出演を続けて下さったのとは、
 あまりに対照的な、
 途中のたった1話だけのゲスト出演で、お話冒頭であっけなく殉職・・・、

という事態に当惑してしまったのです。
そして、腹が立ちました。

 『ワイルド7』のチャーシューだけでなく、
 『超人バロム・1』のミスタードルゲの召使いや
 『正義のシンボル コンドールマン』のマッドサイエンダーを演じた俳優・花巻五郎を、
 こんなぞんざいに扱うの?
 おいおい、ふざけンなよっ!

・・・って。

気づけば、
テレビ画面(番組スタッフ)に向かって、

 「花巻五郎だぞ! 解かっとるンか!?」

と、声を荒らげ不満を訴えていました。


・・・あれは無いですって、マジで。
しかも、
その花巻五郎さん演じる隊員が死んでしまったのに、
佐原博士(中丸忠雄さん演じるレッドマフラー隊の司令官)をはじめとする仲間たちは、
それをたいして悼む事も悲しむ事も無く、なんか、淡々と、次の対応や作戦に移るンですよね。

 どういう神経してるのか?

って呆れてしまい、
番組スタッフだけでなく、その作品世界にも、不信感を抱きました。

そしたら、
おまけに、その回辺りから、
今思えば、低視聴率打破のために視聴対象年齢を下げた内容に変更する、いわゆる “テコ入れ” だったのでしょうけど、
それまでのハードでシリアスな雰囲気から、
コメディタッチな・・・ってか、幼稚で馬鹿馬鹿しい(好きな人、ゴメンナサイ)内容へと、路線変更していってしまうンですよね。
当時、中学1年生だった僕には、
とても付き合ってられない番組にすっかり変貌してしまったので、

 なんだてェ~、これ・・・。
 とろくさい(名古屋弁で “馬鹿らしい” の意)!

って心の中で嘆きながら、
その花巻五郎さんの回から2、3週後の回で、もう、観るのをやめてしまいました。

花巻五郎さんの扱いは酷いし、
物語はかったるいフザけたものに変わっちゃうし、

 視聴者を辞める事が、そんな無礼で軽薄な番組へのせめてもの抗議、

・・・って気持ちだったのです。 
ただ、
そんな怒りと落胆の『大鉄人17』ではありましたが、
途中までは楽しんで観てたわけですし、
子供の頃の思い出・記憶の中に生きるテレビ番組である事には変わりありませんので、
当然の事ながら
関連ソフビは愛すべきコレクションの対象となり、
放映当時の商品(メーカーは、すべてポピー)をいくつか所有しております。

この機会に紹介させていただきますね。

まずは、主人公のワンセブンから・・・。 
 
第13回「玩具協力スタッフ奮闘記」の中でも紹介した人形です。
2体とも、全長約16センチ。 
                     






全長約12センチ。 
             





全長約10センチ。
 
続きましては、ワンセブンに搭載されているマシン。 





サブマシン 全長約8センチ。 
     
 
 シグコンジェット 全長約7センチ。     シグコンタンク 全長約6センチ 


番組放映時、僕は、先述のとおり中学1年生でしたので、
キャラクター玩具の事など気にもせず毎日を過ごしてましたし、
ソフビ人形なんてオモチャは、アニメブームの到来とともに絶滅した、とさえ思っていたので、
大人(コレクター)になって初めてこれらソフビの存在を知り、

 わぁ、ワンセブンのソフビ、出てたンだぁ!
 え!? シグコンジェットも? シグコンタンクも?

って、歓喜の中、購入・蒐集してきた次第です。
けれども、
コレクションケースの中に並ぶこれらを目にするたび、
やはり、
先に述べた花巻五郎さんの扱いにまつわる理せぬ出来事が甦り、
いつも、

 「花巻五郎だぞ! 解かっとるンか!?」

って、
心の中で、ではありますが、当時と同じように叫んでいる事も確か。
胸がときめくものの怒りも蒸し返す、
“魔力” を持ったコレクションたちであります(苦笑)。


・・・そういえば、花巻五郎さん、
これまたウィキペディアによると、なんと愛知県出身で、特技が名古屋弁、との事。

うわぁ~、同郷の大先輩俳優だったンじゃん、チャーシュー。嬉しいなぁ・・・。 
ならば、こちらも。
ジャーン!

 “チャーシューきしめん”。


・・・え?
また、食べ物の話しかよ、って?

いやいや、だって、
きしめんは、名古屋名物のひとつ、ですからね。
チャーシュー・花巻五郎さんが僕と同郷だったとなれば、
これを紹介せずには終われないでしょう(笑)。
昆布とカツオとムロアジとアゴのブレンド出汁による、やさしい味わいの甘みとコクが、
もっちもちの幅広きしめんとホロッホロの分厚いチャーシューの組み合わせを、意外なものでなく、
自然で当たり前なものであったように、すんなりと感じさせてくれます。

そんな素敵な一品は、こちらのお店で食べられます。 

麺や 八刻丸
名古屋市守山区下志段味3の2110 (052)799-8590
営業時間:午前11時~午後8時
年中無休


リーズナブルな・・・ってか、

 こんなに安くていいの?

って思うような値段で
美味しい麺類や丼物がお腹いっぱい食べられる、最高のお店です。

コーヒーやかき氷にソフトクリーム、
あと、きしめんの出汁の風味を活かしたたこ焼き、なんてのもあります。
 
  チャーシューといえばラーメン・・・、

ではありますが、
きしめんとも、なかなかどうして相性が良いですよ。
・・・ってか、こっちの方がラーメンよりも合うかも。
名古屋人の贔屓目、ですかね?
ならば、
花巻五郎さんもきっと僕と同意見でしょう(笑)。


・・・どえりゃあ美味ゃあよ、これ。

そんなわけで、
今回も最後まで読んで下さってありがとうございました。
では、また来月に・・・。 





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